血鋼 -BLOOD-F-
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あたし達は、銃声が響いた場所まで辿り着くと辺りを見渡した。
其処には、倒れている軍人と―――あの美しい少女。
「あぁーーーッ!!」
あたしの叫びに、エドとアルが肩を跳ねさせた。少女はあたしの方を見るだけ。
「エド、アル!この人だよ、さっきあたしを化け物から助けてくれたの!」
「…え、こいつ?」
「確かに…強そうだけど…。」
エドとアルは戸惑いながらも、少女に眼を向けた。
「あ、あのっ!あたし、レイラ・スアリッドって言うの!さっきは助けてくれて有り難う!」
「…お前を助けた訳では無い。《アレ》は私が倒すべきものだったから倒した、それだけだ。」
「で、でも嬉しかったから!あたし、あそこで死なずに済んだから!だから、有り難う!」
「…………。」
少女はあたしに背を向け、黙ってしまった。その態度にエドがキレる。
「お前、レイラが礼言ってんだぞ!何か言えよ!」
「……五月蝿い。」
少女は冷たくそう言い放った。