next night
□第二十一夜
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こっちに戻って来て三ヶ月弱・・・。
いよいよ、オズマ達と決戦の日がやってきた。
寂れた町の隅の、廃れた遊園地で、私達は彼等と対峙する。
「逃げずに来るとはな。」
「へっ、んなの今更だろーが!!」
「今日こそ決着を着けてやる!!」
「そして、白虎を取り戻す!!」
ピリピリとした雰囲気の中、キリは実体化をせずに私のポケットでいつでも実体化が出来るように待機をしている。
いざというときに、私を守るためだそうだ。
観覧車にくくりつけられた石板を見ながら、ポケットのドラキリューを握りしめた。
「さてと、手始めに誰から潰すか・・・」
「俺が相手になってやる!!掛かってきやがれ!!」
ポキッ・・・と腕を鳴らすドゥンガに、タカオは早速でしゃばろうとする。
「待ちなドゥンガ。最初はあたしがやる。・・・そして、あたしの相手はあんたじゃない。・・・マックス、勝負しな!」
「!!」
「マリアム・・・わかった。行くよ!!」
こうして、マックスとマリアムがお互いに前へ出た。
「「3、2、1、ゴーシュート!!」」
互いに譲らない激しいぶつかり合い。
ドラシエルも、シャークラッシュも、それぞれマックスとマリアムと、今まで以上の結び付きを見せつけてくれる。
とても熱く、目が離せない戦いだった。
「っ、シャークラッシュ!!」
「いけぇ、玄武ーっ!!!!」
しかし、マリアムの表情が途中から変わっていったのを、シャークラッシュの動きが途中から変わっていったのを、私は見逃さなかった。
どのみち真剣だったことには変わりないんだけど・・・。
なんというか・・・真っ直ぐになった・・・?
「うぉぉおおおおお!!!!」
「はぁぁあああああ!!!!」
激戦の末、勝利を納めたのは、マックスとドラシエルだった。
「やったね!マックス!!」
「うん!!玄武がいたから・・・皆が応援してくれたからだよ!!」
そう言って喜ぶマックス。
レイもホッとしたような顔をしている。
しかし、喜ぶのも束の間。
ザッ・・・と大股でこちらへ出たドゥンガへ視線を移す。
「さて、この俺の餌食になるのはどいつだ!?」
「・・・貴様の相手は俺だ!」
「カイ!!」
「へっ、そう来ると思ったぜ。火渡カイ!!貴様とはまだ決着が着いてないからな!!」
「今、この場で着けてやる!!」
「ハッハ、果たしてどんな決着が着くか楽しみだぜ!!」
「カイ・・・。」
「・・・・・・。」
カイは一瞬、視線だけ寄越して行ってしまう。
大丈夫、カイなら・・・きっと・・・。
でも、この不安は何・・・?
「ついてこい!!」
ドゥンガがそう言って走り出すと、カイもそれに続く。
「あっ・・・!!」
「ちょっと・・・!!」
私達もそれに続くが、あっという間に引き離されてしまう。
「まさか・・・あんなところでバトルを!?」
ジェットコースターのレールの入口で、彼らはベイブレードを放った。
「いけぇ、ボルティックエイプ!!」
「ドランザァァアアアアッッッ!!」
落ちるかもしれないレールの上を、目にも止まらぬ速さで走り抜ける。
しかし次の瞬間、ボルティックエイプが突然消えた。
珍しくカイが動揺を見せるが、その姿はなかなか捕らえられない。
「上だ!!」
「!!」
「何!?」
「ボルティックエイプ!!喰らえーっ!!」
「カイィッ!!」
「っ、朱雀ーっ!!」
なんとかピンチを切り抜けるものの、油断はできない・・・。
ドゥンガは一気に決着を着けようと、どんどん飛ばしてくる。
朱雀も反撃に掛かり、火花が上から降りかかる。
「くっ・・・カイ・・・!」
オズマもマリアムも、最初のときのような余裕は流石に見られない。
・・・って、ユスフどこ行った!?
嫌な予感がして辺りを見渡すと、なんと彼はジェットコースターの入口へと駆け込んでいくではないか。
「させるかぁぁああああ!!バニシングムート!!」
「!!」
「2対1なんて卑怯なことしやがる・・・どわぁぁっ!?」
思わず駆け出そうとした私達だけど、その行く手はオズマによって阻まれた。
「クソッ・・・!!」