next night

□第九夜
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マックスの家でたっぷり練習させてもらった私達は、夕飯までご馳走になってしまった。



その次の日。



漸くタカオが帰ってきたのだ!!













「はぁっ!?それじゃあ昨日カイもセツナもオズマ達と戦ったって言うのかよ!?」

退院祝いにマックスが持ってきたケーキを皆で食べているときのことだった。

私がタカオに新しいシューターを渡すと同時に、昨日の出来事を話すと、予想通り彼は凄い食い付きようだ。

「てことはあいつらのアジトにも行ったのか!?」

「行ったっていうか、連れてこられたっていうか・・」

「じゃあそこに皆で行けばあいつらにまた会えるじゃん!!」

「うーん・・・それはどうだろ。」

私はカイに、昨日持っていたドゥンガの置き手紙を皆に見せるように頼んだ。

そこにはアジトまでの簡単な地図が書いてある。

「随分変な場所にあるな。」

「でも行けなくはないね。」

「地理的には、ね。・・・でも、こっから本題。」

皆の視線が私に集中する。

「昨日、カイとドゥンガが戦っているときに、アジトで爆発が起こったんだ。」

「爆発!?どれだけ凄いバトルをしたのよ!!」

「あ、別にバトルの影響で爆発したんじゃなくてね・・・。」

なんて説明しようか、と迷っていると、カイが補足をしてくれる。

「バトル中に邪魔が入っただけだ。・・・恐らく、チームサイキックの仕業だろう。」

オズマが呟いた「科学者」というキーワード、そして、カイが見たというカメラのことから、導き出した結論だった。

「で、オズマが仕掛けられていたカメラを壊したんだけど、そしたら塀の外でも大きな爆発が起きて・・・で、そのまま車が走る音がしたから、逃げたんだと思う。」

塀もオズマ達が追ってこれないくらい崩れてしまったし、もしかしたらあのアジトにはもういない可能性が高いということを話せば、皆大きく溜め息を吐いた。



・・・ただ一人を除いて。



「バッキャロー!まだあいつらが逃げたと決まったわけじゃねぇだろ!?だったら見に行くしかねぇじゃん!!」

タカオは床をバンッと叩いて私達に問う。

「まぁ確かにそうとも言えるが・・・だが、チームサイキックにもアジトがバレているのなら、普通は逃げると思うがな。」

レイがそう言うと、皆うんうんと頷いた。

「ちぇっ、なんだよお前ら揃いも揃って・・・。なぁ、カイ・・・」

「無駄足だと思うがな。見に行きたければ好きにしろ。」

「なんだよ、まだ何も言ってないじゃんか・・・んじゃ、セツナに頼むか。」

「え、何が?」

「道案内。この地図だけじゃ頼りなくてさ。」

「ああ。別にいいけど。・・・・・・あ。」

口にしてからマズいと思い、チラッとカイを見る。

すると、彼は苦虫を噛み潰したような顔をしていた。

「・・・カイも来る?」

「・・・・・・。」

カイは先程あんなことを言ってしまった手前、気まずいのか口を噤んだままだった。

仕方なく、私はそのまま立ち上がり、地図を手にした。

「えっと、皆も来るならおいでよ。割と遠くはなかったからすぐに行けるはずだけど・・・。」

それでもカイの言うとおり、収穫が得られない可能性のが高いけどねと溢せば、やはり誰もついてこなかった。













少し自信は無かったものの、なんとか昨日の建物に着くことが出来た。

明るい中で改めて見てみるけど、結構しっかりと崩れていることがわかる。

・・・そんなにすごい爆発だったのか・・・。

「・・・いや、私のグラウンドアップももしかして混ざってる?」

昨夜、闇雲にグラウンドアップを使ったことを思い出した。

周りは人通りが全くといっていいほど無いので、こんな状態になっていても誰も何もしないのだろうか・・・。



「結構派手に壊れてんだな・・・よし、建物の中に入れないか調べてみようぜ!!」

そう言うなり、タカオは中へ入れないかどうかを調べ始めた。



「うーん・・・入り口完全に塞がっちまってるな。」

「そうみたいだね。」

「しかし喜べセツナ君!これは我々にとって有益なことである!!」

「なんで?」

「なんといっても、入り口が塞がれているんじゃオズマ達はここから出ることが出来ないのであるからして・・・っで!舌噛んだ・・・っ!!」

「・・・・・・。」

思わず苦笑いを浮かべてしまう。

「残念だけどね、タカオ。私達もオズマ達も、爆発が起きたときは建物の外にいたんだ。」

「だっ!!・・・そういうことは早く言ってくれよぉ・・・。」

タカオはコケるふりをして、口を尖らせた。

「ごめん。・・・でも、この様子じゃやっぱりここにはいなさそうだね。」

「そうみたいだな。・・・ちぇっ、折角あいつらに会って戦えると思ったのに。」



タカオは大きく息を吐くと、その辺に転がっていた塀のブロックに腰掛けた。
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