長いお話
□こんにちは赤ちゃん
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「キボミひょん!来週ひょんの誕生日だよね!」
「…そうだけど。」
リビングで雑誌を読んでいると、ドタバタと騒がしい音を立てテミニがやってきた。
雑誌から目を上げ、取り敢えず質問に答えてみる。目をキラキラさせて、僕の隣に腰掛けるテミニ。
「じゃあ、もしよかったら僕にひょんの誕生日お祝いさせて下さい!」
そう言って、ニコニコと楽しそうに微笑むテミン。
そんなテミニに僕まで笑みがこぼれてきて。
…だってさ、僕の誕生日なのに、なんでテミニの方が楽しそうなの?
まぁ、断る理由もないから、別にいいよとテミニの申し出を受ける。
「ホント?よかったー。もう予定決まってたらどうしようかと思った。」
僕がプランたてるから!楽しみにしててね!
と忙しなくリビングを後にするテミン。ふふ本当嵐みたいなヤツ。
誕生日なんて毎年なんとなく過ごしてたんだけど…テミニのお陰で今年は少し楽しみかも。
そんな事を思いながら、僕はまた雑誌に目を戻した。
ジョンヒョニひょんとミノの赤ちゃん事件が解決してしばらくたった。
まぁ、雨降って地固まると言うかなんというか。
バカップルぶりにより拍車がかかって見ていてウザイと言うか。
とにかく仲良くやってるようで安心した僕。
暫くは穏やかな日々が続いてたんだけど。僕とテミニはというと、あれから目立った進展はなく、友達以上恋人未満の曖昧な関係が続いていた。
「そろそろはっきりしてあげたら?テミニも待ってるんじゃない?」
僕らのやりとりをダイニングのテーブルに座って聞いていたオニュひょんにそんな事を言われる。
その言葉に少しでムスッとする僕。
「わかってるよ、そんな事。オニュひょんに言われる筋合いないし。」
そう言って、僕もリビングを後にした。
…わかってるよ。僕だってこのままでいいとは思ってないけど…。
でも今のままの関係が心地よかったりするんだ。なんて…、僕の甘えだね。ゴメンねテミニ。もう少しだけ待ってて。ちゃんと…答えを出すから。
自室に戻る途中でテミニの寝室を見つめながら、そう心で問いかけ僕は寝室の扉を開けた。
部屋に戻ってネットでデートスポットを検索する。
未だに曖昧な関係な僕とキボミひょん。
本当はこの関係がもどかしくて堪らないんだけど。
…でも、無理に急かすような事はしたくないから。
だから、キボミひょんの誕生日にいっぱいサプライズをして僕を選んでもらう事にしたんだ。
そうとなれば、ひょんに頼れる男だって思ってもらえるようなデートプランを考えなきゃ!
キボミひょんってばお洒落だし趣味もいいからなぁ。
…どこに連れてったら喜んでくれるかなぁ?あーでもない、こーでもないと考えながらデートスポット特集の記事をかたっぱしから開けていく。
ふふふっ当日が楽しみだなぁ。もしかしたら、僕の方がひょんより楽しみにしてるかも。
そんな事を考えながら僕は黙々とデートプランを組み立てていったんだ。