LongstorY

□チガイ。
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「ただいま。」


家のドアを開けると底には美智瑠が当たり前のように座っていた。


「おせーよ。いつまで俺を待たせるつもりなんだ。」


……ムカつくな。おかえりも、言いきらねーのかよ。


俺は3日前位からこの口の悪い男美智瑠と暮らしている。暮らしているよりは勝手に住み着いたのほうが正しい。


「うっせーな!俺だってバイトとかで急がしんだよ!」


なぜ住み着いたかと云うとこいつを家にあげたときに言われたのだ。


「借りを返したいなら、俺をここに匿え。」


最初は訳が分からなかった。匿えってなに?


理由を聴いても教えてくれなかった。


その時の美智瑠の眼は、冷たく悲しく見えた。


「なー。今日の飯なに?」


美智瑠は気だるそうに聴いてくる。


「カレーライス。」


「は?!またかよ。他の無いのかよ。」


「文句があるなら食べなくていい。」


夕飯は昨日の残りのカレーライス。個人的に好きだから二日続けてなんて全然平気だ。


美智瑠はカレーライスがあまり好きじゃないらしい。理由は


『カレーなんて貧乏人の食べ物じゃんか。』


カレーを馬鹿にすんな!と言ってやりたかったが無駄なことだと思い言わなかった。


美智瑠は何処かの超有名な会社の跡取り息子らしい。


俺が知っているのはそれだけだ。


「ほら、飯できたぞ。」


俺は美智瑠の前にカレーとサラダを出した。


「……いただきます。」


小さな声でそう呟いたのが聞こえた。
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