テニキャス(腐)Dream
□願い
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-僕の願い事、
叶うかな…-
今日は
七月七日
そう、七夕の日。
稽古場で笹が飾られている。
そこには他の役者さんが
楽しそうに短冊に願い事を書いていた。
僕も短冊に願い事を書くことにした。
願い事…
なんて書いたらいいのかな…。
そんなこと思ってると
横から大ちゃんが
「よっ、なにしてんだ?」
『短冊に願い事書いてるんだ』
そう答えると
「じゃぁ、俺も書こうかな」
そう言って
短冊とペンを持ち
短冊に願い事を書いていく。
僕は大ちゃんがなんて書いたのか気になるけど
人の願い事を覗くことなんてできない。
僕は
゛舞台が成功しますように″と
願い事を書いた。
やっぱり大ちゃんの願い事気になるな…
思い切って大ちゃんに聞いてみた。
すると
大ちゃんは
「んー?こんな感じかな」
短冊に書かれていた文は
゛舞台成功!″と書かれていた。
「まおはなんて書いたんだ?」
『大ちゃんと一緒、舞台が成功しますようにって』
でも
本当の願いはこれとは別にあるんだ。
それは短冊に願い事を書くものではない。
そんな簡単に書いてはいけない気がしたんだ。
簡単なものではないから…。
一人では叶わない願い
「この願いは誰にでもあるはずだからな」
『うん、そうだね』
「けど俺の本当の願いはこれとは別なんだ」
『別…?』
「まおといつまでも幸せに過ごせますようにってな」
『大ちゃん・・・』
ぽっと暖かくなった。
僕と一緒のこと思ってくれていたなんて…
「短冊に願い書く事じゃないだろ?いつも心の中で願いっていればいいんだ」
どうしよう…
嬉しすぎて涙でそう…
休憩中でもさすがに泣けないよ…。
僕が涙を堪えているのが
わかったのか
大ちゃんは僕の手を握り
「すみません、ちょっとまおの気分が良くないみたいなので外で空気吸ってきます」
そう言って
屋上に向かった。
「まお、ここでなら泣いてもいいぞ」
そう言って大ちゃんは抱きしめてくれた。