テニプリDream

□もう一度あの声を
1ページ/2ページ

―俺はいつも迷っている

もう一度彼女の声が聞きたい・・・―

俺は彼女と1ヶ月近く連絡をとっていないし会ってもいない

今の俺の姿を見たら彼女は何と言うか

怖かった・・・俺から彼女が離れてしまうことを・・・

俺は彼女に会いたいでも

姿は見られたくない

声だけでもいい・・・

あの明るく元気な声が聞きたい・・・

俺は携帯の画面を開き

電話帳を見た。

「今から電話をするのはよくないかな」

今は夜中の12時を回った頃だった
だが俺は彼女に電話をした
3回目のコールで切ろうと思っていた。

『もしもし?精市?』

「・・・・名無しさん・・?」

『クスッ驚いてるね』

「寝てなかったのかい?」

『うん、なんか精市から電話がかかってきそうな気がしたから』

「そうなんだ」

名無しさんはいつものように

明るく話している

俺はそんな姫香が好きだ

あの声はいつも俺を安心させてくれる

『どうしていままで電話くれなかったの?』

「どうしてって・・・」

『私ね、ずっと待ってたんだよ?』

待っててくれたんだ・・・
今の俺には電話をする勇気が無かった・・・
君に電話したら・・・
君の声を聞いたら・・・

『精市、明日手術だよね?』

「そうだよ...そっちは決勝だろ?」

『うん・・・精市みんな頑張っているから精市も頑張ってね』

「あぁ」

【頑張って】

君に言われると
すごく頑張れる気がするんだ

『精市、そこから外みえる?』

「うん見えるよ・・・綺麗な満月が」

『そう・・・精市ちょっと待っててくれる?』

「あ・・・うん」

なんだろう
待っててって・・・

[ガラッ]

俺は見回りの人が来たのかと思い
携帯を隠した。
でもそこには
愛しい彼女がいた。

「名無しさん・・・・?」

俺は驚きつつ彼女を見た

「精市・・・」

「どうしてここに・・・?」

「どうしてって・・・精市に会いに来たに決まってるじゃん」

「名無しさん・・・ありがとう」

「精市、キスしてもいい?」

「いいよ・・・何回でも」


俺は臆病だったのかもしれない
でも
彼女に会えたのは凄く嬉しい
彼女が俺を想ってくれるのが・・・

   ―END―
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ