BOOK
□色
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その時、市は確かに長政様の色を見た。長政様は妙に赤い。
今では、長政様が好きだった正義の色は思い出せなくて、変わりに兄様の色を思い出す。
真っ黒な闇の色……
市をすべて闇に覆ってしまう黒い…黒い…闇の色。
綺麗な愛なんて思い出せなくて、今あるのは汚れた憎しみ。
黒い血の色………
あぁ
長政様、もうすぐで終わるよ…? もうすぐ会えるから…ね?泣かずに頑張るよ…?
だから、
正義の色を、思い出させて。
正義の色を、市の闇にください。
あぁ
長政様ぁ
長政さまぁあ!!
黒い闇の力を
長政の正義の光で包んで
私を…光に包んで
闇から光を………
私は…
だから…
闇におちた