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□魔王の子と農民の子
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春になった。雪が溶けはじめ地面が顔を出し大地に緑が芽吹く。そろそろ仕事に取りかかろうかと思った時、オラの家に織田のところの魔王の子が来た。またオラ達の米を奪いに来たのかもしれない。米を守らなくてはと思い、オラは武器を持って身構えた。
「おい農民!」
魔王の子は入って来るなり偉そうにそう言った。
「何だべ…?」
訝しんで聞けば、
「蘭丸は信長様一の家臣だ!」
自信マンマンにそう言い出した。
「いっぱい手柄を立てて、信長様に誉めてもらうんだ!大人になったら、濃姫様みたいに綺麗なお嫁さんを貰って自分の城を作るんだ!」
「それがオラになんの関係があるだ?」
暫くの間が開いて、魔王の子が言う
「おっ、お前を蘭丸のお嫁さんにしてやるよ!感謝しろ農民!」
その時の魔王の子が顔を赤い金魚みたいに赤くて、笑った。何故か嬉しくて、オラは泣いていた。
「オラも魔王の子みたいな強い奴をお婿さんにするべ!!」
嬉し涙を流しながら、笑ってオラはそう言った。