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□負けてもいいぞ…
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忠勝の名は、ただ勝つ、というのを語源として家康に付けられた。

ただ、勝つ……


この名前は負い目になる。負ければ、自分は意味のないものにしかならない…。家康に捨てられるかもしれない……。

だから、ただ勝つ為に彼は戦う。家康の為に戦い続ける……。


「忠勝…」

家康に呼ばれた。

「……」

「負けてもいいんだぞ」

「…!?」

時が、止まった気がした。

「忠勝は、負けても忠勝だ。戦国最強の本多忠勝だ!だから………」


小さき主は笑う。笑って、忠勝の背中によじ登りこう言った。

「ずっとワシの側にいてくれ!」

小さき主の言葉に、忠勝は深く頷いた。戦国最強は、小さき主と小さき主の夢を背負い今日も空を飛ぶ。



(ワシは忠勝を嫌いにならない!捨てたりもしない!だからなぁ…忠勝……ワシの背中をずっと護ってくれ…そばにいてくれ……)

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