BOOK

□鬼ごっこ
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幼少の頃、佐助と鬼ごっこをした。佐助はすばしっこくて、いつもギリギリまで某を引きつけては軽やかに地を蹴り逃げる。佐助から鬼を始めても、最後に鬼になるのは某だった。


(弁丸様、次はあなたが鬼ですよ)


笑って佐助は逃げる。

それは遠い昔の記憶…。


「旦那、後で風呂に入りなよ。返り血で真っ赤じゃないの。これじゃまるで赤鬼だ」


佐助が手拭いを差し出してきた。水たまりを覗き込めば真っ赤な自分……



「あぁ…これでは本物の鬼だな…」

そう小さく呟いた。



「?…旦那どうしたの?」




(佐助……某が鬼になってお前を見つける!)




(わかりました…弁丸様)


あぁ…昔の自分が恋しい

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