遊魔SHORT

□光の正体  後編
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酔い始めた隆平を見て、痛いのは嫌だからとさっさと退散し……自分はすばると共に部屋に逃げ込んでしまったのを思い出す。



確か、隆平の傍には裕と大倉がいたはずだ。どちらも隆平の噛み癖の主な被害者だったが……あの時は、裕がいるから大丈夫かと思っていた。どうやら、大倉の根の持ちようから……裕は逆に大倉のおかげで危機を脱したようだ。




「この落とし前……どうつけてくれるんかなぁー……?」
「お、大倉……ホンマにごめん、ほんっっまにごめん………」
「めっちゃ痛かったんやで?すっっごい痛かったんやで?横山くんの方行かせようとしても、村上くんが上手いこと助けてしもて……もう怒ったで、俺。めっちゃ怒ってるで、俺。」
「お……大倉ぁ、ごめんってぇ……」



頬を膨らませ、顔をむくれさせ、完全に怒り心頭の大倉はもはや章大の弁解など聞いてはいない。章大がどんなに謝っても、大倉はそっぽを向いて聞こうともしない。耳を傾けてくれる段階に入っても、「ふん!」と言って許そうとはしなかった。





「……お願い……何でもするからぁ……」





当惑した章大は、とうとう大倉にすがりつき……半泣きになって訴えかけた。




「……何でも、してくれる?」
「え?」
「何でもしてくれるんやね?」




唐突に怒りが冷めた様子の大倉に、少し動揺しながらも……許してもらえるチャンスを見せられた章大は、何度も首を縦に振る。




「……じゃ、言う事聞いてもらおっか♪」
「え!?あっ……ひゃあああ!やっ……たっちょん!!!」





が、その縦振りが、この後大変な事態へと繋がるのだった……



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