遊魔SHORT
□ひび割れたring
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話は、二週間前の夜……仕事帰りにヒナと二人で帰った時に遡る。
運よく仕事がオフになり、かなり久々に休みが取れた俺は……明日は二人でどこかへ行かないかと誘ってみた。
ヒナも休みを貰っていたのをスタッフに聞いたから、間違いなくオッケーしてもらえると思ってた。「やった、二人きり!俗に言うデートやん、これ!」と半分有頂天になってたのもはっきりと覚えてる。
やけど、ヒナはちょっと残念そうに……すまなさそうに、俺に言うたんや。
「ごめんな、明日は別件で用事あんねん」
……オッケー貰えるとしか思ってなかった俺は、ものすごくショックやった。
せやけど、仕事にすごい真面目で……嘘を吐かないヒナがこういうんやから、ここはひとつ、我慢しなあかんなと思った。
「そうかあ……わかったわ」
がっかりした顔を表に出さんよう。俺は顔を背けながら……いつもと同じような調子で、そう言った。
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