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□恋するユウジのとある一日
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今、俺には好きな奴がいる。
毎日、俺なりに必死にアプローチしてるつもりなんやけど、全然気付いてもらえない。
要は、鈍感な奴っちゅーことや。
まあ、それは俺にも原因があるんかもしれへんけど。




「御堂ー!!」


「あ、一氏くん。どうしたの?」


「あんなあ、俺、今日数学当たる気がすんねん。せやから、ノート貸してくれへん?」


「いいけど・・・・何で私に?」


「と、言いますと?」


「金色・・くん?に借りればいいのに・・・・って」


「ああ・・まあ、それはそうなんやけど・・・・」




どうやら、今までの俺のキャラは濃すぎたようだ。
そら、あれだけ小春、小春言うてれば、誰だってそう思うよな・・・・。




「・・あ、ノートだっけ。はい」


「ああ、おおきに!!」




このやり取りを何回やったやろか。
理由を聞かれる度にはぐらかしてきた俺も悪いんやろうけど・・・・。
せやけど、いくら何でも鈍感すぎやない!?
小春じゃなくて、わざわざ御堂に借りに来てる意味考えればわかるやろ!!
流石の俺も、少し悲しくなってきたわ・・・・。


いやいやいや、よく考えてみい。
今ここで諦めたら、今までの努力が水の泡や。
今まで俺は何のために努力してきた?
せや、御堂を振り向かせるためや。
こんだけ想ってきた御堂を簡単に諦められるわけ無いやん!!




「よっしゃああああ!!!!やったるでえええええ!!!!」




せや!!俺はめげへん!!
何が何でも、アイツを惚れさせてやる!!


一人気合いを入れ、そう心に決めた俺であった。




恋するユウジのとある一日

(鈍感な奴ほど、楽しいやんか!!)




fin.


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