□水飴
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お腹すきました

甘い匂いにつられて来てしまいましたがお金を持ってくるの忘れました
チュロスにリンゴあめ お祭りは沢山売店があるから大好きです

でも どれも高いんですよ


ピカピカしてる明が沢山
キレイ キレイ キレイ

とってもキレイなのに僕の目は売店に釘付けです

仕方なくいつも常備してるキャンディをなめるけど
いつもみたいに楽しい気分になりません

やったぱり僕はあの水飴が食べたくて仕方ないみたいです

「ねぇ そこの緑の君、買うの買わないの?邪魔なんだけど」

カウンターの向こうから若い女の子の声がしました

いつの間にか僕は水飴の入った容器が鼻がくっつきそうになっていて彼女の商売の妨げになってしまっていたようです


「えと、スイマセン
水飴を買いたいのですが持ち合わせが少なくて、つい」

またやってしまいました
僕は甘いものを見ると周りが見えなくなることが多々あります


はぁ、とため息をつく彼女
「ちょっとくらいならまけてあげてもいいよ」


その言葉に視線を向けると
あきれたように笑う彼女と目が合いました

ラフな格好でナチュラルなイメージな女の子でした


失礼なことに水飴に夢中だった僕
は彼女の顔を確認してすらいなかったのです

屈んでいた僕はあわてて姿勢を正しました

「本当ですか!?」


僕の急な大声に少しビックリして
それから彼女はカラカラと笑いました

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