腐れ文

□真っ赤な昼下り
1ページ/2ページ




-----------------------

道の向こう側から爆発音

叫び声にまた別の誰かの叫び声がかさなる

どうしようどうしようどうしようどうしよう

怖いよ

きっとまたフリッピーさんだ

あの優しいお兄さんはたまにとても残虐な人になる


赤色と何かが壊れる音と悲鳴がのどかな午後を殺戮の場へと変えていく

怖いよ


逃げたいのに吐気のせいで足が前にすすまない

早く逃げなきゃ
僕の今日が終わっちゃう



「おぃ、そこのお前」

ビクッ
どうしよう

「1人だけ逃げようなんて思っちゃいねぇよなぁ?」


恐る恐るふりかえると首だけになったギグルスと目が合った


自分の叫び声が聞こえて吐き気が増す

喉から液体化したハンバーガーが胃液と混ざってこみ上げてきた


「俺と一緒に遊ぼうぜ?」

下品に笑いながらフリッピーさんは掴んでいた生首を放った

ちょうどそこをトラックに乗ったランピーさんが通りかかりそれをひいた

車体が揺れたが、女の子の頭をひき潰したことに本人は気づかないで通りすぎる


耐えられなくなった僕は吐いた


「ぅわ きったねぇWWW」

ゲホゲホと咳き込む僕を見下ろして笑うフリッピーさん
早く逃げなきゃ
早く逃げなきゃ
早く逃げなきゃ


「赤でこの町を綺麗に飾ろうぜ?」


恐怖で震える僕にゆったりと歩み寄るその様子は、人の悪そうな笑顔と血まみれなことを除けばいつもの優しいお兄さんだ
った


次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ