小説  

□くりすます
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「おや…、」

どうやら今日は徹夜せずに帰れそうです!

これはこれは…、

「すぅぅぅうぷぁぁぁぁぁあぶるぁぁぁあぼぉぉぉおう!!」

「うわ!?」

は…っ、私、ついテンションが上がってしまいました。
クダリを驚かしてしまったようです。

「ノボリ…、急にどうしたの?」

「きいてくださいクダリ!!今日はぐっすり眠れます!ブラボーです!!」

「おぉ!!それはブラボーだね!!」

「えぇ!!ブラボーです!!」

夜勤明けの辛いことといったら!!それはもう酷ですよ!!しかし、今日という日は徹夜続きの体をゆっくり休ませることが出来そうです!!

「最近は徹夜続きだったもんねぇ。」

「えぇ、今日で4日目でしょうか。」

「もう少しで新記録更新するとこだったよ。」

現在の最高記録は4日でございます。

実は私、先程まで頭が回らない状態で書類を片付けておりました。慣れているので不備は無いと思いますが、限界だったのです。
それが今ではどうでしょう!まるで天国にまでいけるような…!

「いぃぃぃいやっふ「ノボリ!落ち着いてよ!!」…は…!申し訳ございません!!」

どうしても今日は高ぶってしまいます。クダリに注意されました。

「…!!」

「今度は何…」

「お、終わりました!!」

「え、まじか。」

今!!この瞬間の喜びを!!私は一生忘れません…!!

「クダリ!クダリはまだですか!?」

「もうちょっと。
ノボリ、珍しく目ぇ輝いてるね。」

「珍しいでしょうか…、」

よく人からは目が死んでると言われますが。

「…終わったァァァァァァア!!!」

「ひぃ!?なんですかクダリ!急に叫ばないで下さいまし!!」

「ノボリに言われたくない!帰ろう!」

「は、はい!帰りましょう!」

―――――

「…うわぁ…!」

「綺麗ですね…!」

外に出れば、雪が降っていました。

「見て!あの家イルミネーションやってる!」

「素晴らしい!!」

「(そこはブラボーじゃないんだ。)」

クダリの指差す方向を見れば、手の込んだ装飾がされていました。


…もしや、

「…クダリ、」

「なぁに?」

「今日はクリスマスではないでしょうか。」

「えぇ…?
えっと、徹夜し始めたのが21日で…、あ!!ほんとだ!!」

「こんな日に何もしないで布団に入るというのはもったいなくないですか?」


「確かに。
よし!!パーティーしようパーティー!!」

「しかし、お店はしまっているのでは…、」

「あ…。」

不覚でした。

「そしたらさ!!ノボリ!!性なる夜だよ!!」

「あの、クダリ、綴りが違う気がするのですが気のせいでしょうか。」

「気のせいじゃないよ!!ヤろう!」

「この愚弟!!私を殺す気ですか!?」

こんな状態で致したら間違いなく死にます!!体力が保ちません!!

「ノボリのケチ!なんかしようよ!!」

「ケチじゃないです!!」

「ケチケチケチ!!」

「わかりました!!100歩譲って、一緒の布団に入るのは許しましょう!」

「え!?そんなことしたらムラムラしちゃうよ!!」

「!?」

かつての可愛かった弟は何処へ?
あぁ、雪が積もった地面をさくさくと踏んで行くのが心地よいです。
なんて現実逃避をしたくもなります。

「ノボリ、家に着いたら一緒に楽しもうね?」

「ね?じゃありませんよ!!」

突っ込まれる方の気持ちになってみなさい!!

「でもえっちぃの嫌いじゃないでしょ?この前だって「クダリぃぃぃい!?わかりました!!致します!!だから黙ってください!!」

そ、そんな破廉恥なことを言わないでくださいましっ!!

「やった!!じゃあ早くして!!」

しまったぁぁあ!!口が滑ってたぁぁあ!!

「そ、そんなに走らなくても…!」

「だって早く突っ込み「あわわわぁぁあ!!」

「クリスマスだし、それらしいプレ「やめてくださいましぃぃぃい!!」

こんな公共の場で!!

「ノボリが一番うるさいと思うけどなぁ…。」


今日はよく眠れくなったことを考えれば先程まで綺麗に見えていたイルミネーションも今ではぼやけてきて、

それでも結局は断りきれないのは確かでございます。

…あぁ、まったく私はつくづく弟に弱いようです。

明日の仕事に支障が出たらどうしてくれましょう!おしおきですよ!!シャンデラに鬼火を頼むのも良いでしょう。もちろん矛先はクダリです。


(…なんか今寒気したんだけど)

(気のせいでしょう)

―――――――

merryXmas!!



 

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