小説  

□ぽっかり
1ページ/2ページ





警告!

・ノボリさんが死んでる。

・クダリさんがおかしくなってる。

なんでも許せる!
大丈夫!な人は出発進行!!






―――――――







真っ黒な服を着た人達が
僕の前を通り過ぎて行く。

黒、 黒、 黒、

みんなノボリの色を着てるけど、なんでかな。

まったくノボリの姿が見当たらなくて。

どこに行っちゃったんだろう?
また出張かなぁ。
あ、でも出張なら声かけてくれるから違うかぁ。


それにしても、みんな真っ黒だから、僕がすごく浮いてる。

この黒に見覚えがあるはずなんだけど、なんだっけ?
思い出せないんだよね。
あ、ギアステーションのイベントか何かかな?まぁ、いっか。


…1人って落ち着かないなぁ。
ノボリを探しに行こうかな。

清掃員のおじさんも、駅員さんもいるし、きっとノボリもいるよね!

…あ、カズマサだ。

「ねぇカズマサ、」

呼べばゆっくりこっちを振り返る、

「ノボリ見なかった?」

目を合わせれば、

「…?どうして泣いてるの?」

「…クダリさん…っ」

なんで?何かあったの??

「だ、大丈夫?具合が悪いの?」

「…っ、あなたは、まだ、」

まだ、なに?

「まだ…、ノボリさんが…っ」

ゆっくり時間をかけて、悲しみに顔を歪めて、

亡くなったのを認められないのですか、
そう言った。


「…?何を言ってるの?」

カズマサ、おかしくなっちゃったのかな?
医務室に運んだ方がいいかな?

なくなったって何が?もしかして、

「カズマサ、大切なものを無くしたの?」

「…っクダリさん!!いい加減っ、現実をみてください!!!」

ギアステーション中に通る程の大きな声だったから、びっくりした。

それからカズマサは走ってどこかに行っちゃった。

「現実…?」

大丈夫かなぁ、カズマサ。
…おっと、ノボリを探さなきゃ。


 
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ