恋を奏でる季節

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学校の帰り道、突然雨が降りだした。急な雨。
でも私は常に、折り畳み傘を2つ持ち歩いているから大丈夫。





「けっこう強いなー…」





ふ、とスタ○の店の前で顔に包帯をまいた女の子(スカートを履いてるから、多分そうだ)とおだんごの女の子が雨宿りしていた。傘が無いのだろうか。





「……」





せっかく傘が2つあるし、1つ渡してあげても困らないだろう。
よし、貸そう。





「ねえ」

「!…な、なんですか」

「この傘使って」

「え」




包帯の子は無言。おだんごの子は驚いたのか目を丸くした。可愛いな…。





「で、でも」

「いいの。2つあるし、相合い傘になっちゃうけど使って」

「あ、ありがとうございます!!」

「…あ、ありがとうございます」

「いいえ。じゃ」

「あ、ちょっ!!この傘はどうすれば…」

「今度会ったときに返してくれると嬉しいな!」





そう。
会話の途中で気づいたのだが、あの女の子2人組は箱庭学園の制服を着ていた。
多分、包帯の女の子は気づいているだろう。勘なんだけどね。



家に着く頃には、大空に虹が浮かんでいた。





続く






(?名瀬さん、古賀さん嬉しそうだね)
(あ、昨日の帰り道で優しい人に傘を借りたんですよ!)
(箱庭学園の制服を着ていたから、また会えないかワクワクしてんだよな、古賀ちゃん)
(うん!)
(ふぅん……)






 

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