恋を奏でる季節
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箱庭学園。
ここには、各学年13クラスあって、10組から13組は特待生として授業料等が免除されるらしい。
異常性を持つ私も、ここの理事長に誘われてここに入学した。
しかも、授業料等が免除になる……そんなことが霞んでしまうようなことを理事長から私は聞いた。
「……十三組の十三人…ですか」
「ええ。甘木さんなら三年生ですし。君の異常性はフラスコ計画を進めるのに必要なんです」
「……」
悪い話じゃ無い。
寧ろ、いい話だと思う。
しかも、フラスコ計画に参加・協力をすれば膨大な謝礼が出るらしい。
───それ自体には興味はない。
ただ、この箱庭学園の理事長に……形くんを探してもらえるように手伝ってもらえないかな。
「少し、考えさせて頂けますか?」
「!」
「話が急すぎて、色々考えたいんです」
「ええ、ええ。構いませんよ」
「では、また来ます」
「お待ちしています、甘木さん」
───ガチャッ……
───バタンッ………
「はぁ」
あれから、2年以上が過ぎた。
私はその2年の間に、異常性と過負荷が発覚した。
分かった時は驚いたけど…
あの時は絶望したけど。
もう、大丈夫。
耳には、蝶々のイヤリングがゆらゆらと揺れていた。
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