空と雲と雨と
□第一話
2ページ/3ページ
ところ変わり、ここは真選組屯所……。
《隊長、準備万端であります!》
《よし、直ぐに行動を開始しなせぇ。失敗は許されねぇですぜィ?》
《あいあいさー!》
「何してるの、桜衣ちゃん…」
「あ、ザッキー!おっはよー、今日も地味だね☆」
「朝一番に言う言葉がそれぇぇぇぇぇ!!?」
山崎と仲良く(?)おしゃべりしている彼女こそ、巷で有名な『緇衣姫』である。
漆黒の髪に、黒色の瞳。
黒い隊服。
あどけなさが感じられる、少し幼い顔。
一目見ただけでは、誰もあの巷で噂の『緇衣姫』とは気が付かないだろう。
「…で、(もう一度)聞くけど桜衣ちゃん…。
君、何してるの?大量のマヨネーズを持って」
「うん、土方さんにマヨネーズをプレゼントフォー・ユーするの!!」
「…それさ…、パイ投げもといマヨネーズ投げなんてことするつもりでしょ」
「よく分かったねー!」
「どうなっても知らないからね、俺」
「はい!新品の最高級バドミントンラケット!!手伝ってくれない?」
「桜衣ちゃん何すればいいの、俺」
わずか0.02秒で緇衣姫…もとい桜衣は、山崎を味方につけた。
●●