恋の嵐がやってくる

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「はーい、各自くじを引いたら席移動しろよー」



担任の先生の声が掻き消されるくらい、教室はざわざわとざわめきだっていた。

多少はみんな、程度はあるとしてもけど席替えは楽しみなんだろうな…と思いたい。



「(あ…私、窓際左から二番目、一番後ろだ)」



ラッキーだ。人気の席を最後の席替えで引けるなんて。
今日はついているのかもしれない。…隣に座るのは誰かな…。



―ガタガタッ。



「よろしくね、宗像くん」

「………」



無愛想だなぁ。…せっかくカッコイイのに勿体無い。
隣の席になったのは、宗像形くん。実は彼とは、三年間クラスが一緒だという、偶然(かどうかは知らないけど)が続いている。

一年生から宗像くんはとても有名だった。…いい意味でも、悪い意味でも。

涼やかな佇まい、黒い髪の毛を襟足で縛っていて、それがよく似合う。
そして、かなり…いやすごく整った顔立ちの彼は、あっという間に女子生徒からの注目の的になった。
けど、彼はとんでもなく……無愛想というか、すげないというか、何というか…。

クラスメートさえ、ろくに話さないので今では彼に近寄る人はあまり居ない。





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