*もしも皆が同じ学校だったら*
□イケメンの過去
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…結局デパート内で捕まった。
黄「ちょっ、逃げなくたっていいじゃないっスか〜」
『逃げるわ!ファンの子怖いから!』
あ〜オレモテモテっスからね、と普通に嫌味言うところとかファンの子は知っているんだろうか。
黄「パウリっちは初対面の時からサインもねだりもしないし変わってるっス」
『全ての女の子が黄瀬に惚れてる訳じゃないからね?』
黄「だとしても普通追いかけられて捕まえられたら惚れるでしょ!
むしろイチコロっスよ?」
おかしいな〜とさも難しそうに考えてる辺りもファンの子は知っているんだろうか。
腕つかまれた時はさすがにドキッとしたけど、なんかさ…
『そんなに自分をステータス化して悲しくないの?』
良くない事を言った自覚はあった。
言った自分にもびっくりしたくらいだ。
黄瀬は意表をつかれたような顔をしていきなり黙ってしまった。
『あ、え、ごめん、言っといてアレだけどごめん』
慌てて謝ると黄瀬は静かに口を開いた。
黄「…パウリっちなら分かってくれる?」
『え』
黄「ステータスを押しつけたのは悪かったっス。
でもそれがステータスだって気づく人って少ないんスよ?」
『…はぁ?』
態度の豹変っぷりに呆気にとられて間抜けな声を出してしまった。
黄「…ここじゃアレなんで喫茶店で話してもいいスか?
ていうか時間平気?」
特に用もないし話を聞いた方が良さそうだったので、喫茶店へ向かった。