*もしも皆が同じ学校だったら*

□Happy Sunday
4ページ/4ページ

氷「パウリちゃんは週末はいつもあそこで勉強してるの?」

『はい、テスト前だけですけど。
というか、すみません家の前まで送ってもらっちゃって…』


キリのいいところでもういいですよ、と何回か断ったのだが、辰也さんは家まで送ると言って聞かなかった。
もちろん辰也さんと長い時間一緒にいれるのは嬉しいけど、やっぱり図々しいしね。


氷「気にしなくていいよ。じゃ、またね」


“またね“?
疑問に思いつつ、感謝の気持ちをこめて頭を下げる。
しかし不思議そうな態度が表に出ていたのか、辰也さんはあぁ、と納得したようにつぶやいた。


氷「来週も来ていいかな?」


…ん?
シナリオが理想的すぎて一瞬耳を疑った。


『そんな許可みたいなのないですよ…?』

氷「集中できなくて困るんじゃないかと思って」

『困らせたのはむしろ私の方ですから!私はすごく助かりましたけど、でもっ

氷「ふふ、オレは困ってないよ。
パウリちゃんが困っていないならよかった」


頭をポンポンと撫でられて続きの言葉が出てこなかった。


氷「そうしたら来週もあそこで会おう」


またね、と微笑む辰也さんにみとれてしばらく頭の中が真っ白だった。
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ