転校生

□僕のお姫様
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僕のお姫様はこの頃前よりも無口だ。
今はお昼休み、お姫様は僕に膝枕をしながら無口で髪を撫でてくる…僕的には嬉しいんだけどね。


「一くん睨まないでよ」

「………………」

「おい千鶴…なんだ名無しさんと総司は(ボソッ)」

「それがわからないんです(ボソッ)」


土方先生と原田先生は困った顔をし、永倉先生は羨ましそうな顔をし2人に続き職員室へと戻った。
平助くんと私は、チラチラ横目で2人を見る。
斎藤先輩は……今にも殴りかかりそうな勢い。


『(斎藤先輩…名無しさんちゃんに告白出来なかったのかな…)』

『…一も、千鶴にやってもらえば』

「…なっ!!…………失礼する』


スタスタと屋上を後にする斎藤先輩。


『………総司は王子そっくり…毛並みサラサラ…』

「…毛並み?僕が動物みたいじゃない(笑)」

『うん』

「「えっ」」

『総司は野良猫の王子とそっくりで、可愛い…』

「……じゃあその王子より、可愛がってくれる?僕は逃げないから」

『………うん』

「平助…………なに見てんの?」

「…お前ら付き合ってんの?」

「へっ…平助くん!!」


千鶴は思わず平助の腕を掴んだ。


「………うぅんどうだろ?僕は付き合いたいけどね」

「名無しさんはどうなんだよ」

『……わかんね……今は……あたしの猫』



キーンコーンカーンコーン



「平助くん!!名無しさんちゃん!!教室に戻ろう!!」

「うん!!」

『………総司は…』

「僕はサボるかな(笑)」

『授業終わったら………一緒帰ろ』


総司は初めて名無しさんに、帰ろうと言われ今までに無いくらいの笑顔で「うん!!」と返事をした。

『千鶴行こう』と千鶴の手を握る名無しさん。
千鶴は思った…


『(名無しさんちゃん…何でそんな泣きそうな顔をしているの?)』
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