転校生
□転校生がやって来た
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夏の蒸し暑さから解放され…
季節は秋へとうつろうとしていた。
ここ…薄桜学園で「千鶴!!ぼそぼそ何言ってんの?」
「えっ…あっ平助くん!!」
「私…口にでてた?」
「あぁうん。でてたよ」
恥ずかしい!!千鶴は両手てで顔を隠した。
平助は「変な千鶴」と笑いながら席へ戻って行った。
と言っても、平助は千鶴の隣なのだが…………。
ガラガラガラ
「てめぇらうるせぇ。席につけ席に」
1年担当、教師兼教頭兼国語担当の土方先生が…相変わらずの眉間にシワを寄せて教室に来た。
「????おい千鶴(ボソッ」
「何平助くん?(ボソッ」
「あいつ…転校生かな?(ボソッ」
ガタッ!!
「えっ!!知らなかった「うるせぇ千鶴!」あっ」
千鶴は「すみません…」と席に座った。
平助は「あちゃ〜」っと千鶴に苦笑いをした。
そう千鶴は興奮していた(笑)
1年全体では女子1人の千鶴…。
昨日土方から女子の転校生が来ると告げられ、嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて仕方がなかった。
「てめぇらよく聞け〜転校生の名無しさんだ。仲良くすんだぞ」
千鶴は転校生をガン見。
手足が長くスラッとしていて、髪は黒く胸下まであり、背は平助より少し高い。
前髪が長くマスクをしている為、表情は読めないが…美人系だ。
ペコッ
『…………』
「…名前言えよ名前」
『…………名無しさん………です』
そして無愛想である。
「席は千鶴の後ろでいいな」
スタスタスタスタ
千鶴はくるっと振り向き「宜しくね!!私雪村千鶴!!」とキラキラした笑顔で話しかけた。
これが転校生と千鶴の楽しい楽しい学園生活の始まりだった。