読み切り〜壱〜
□千鶴とお話
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『…なぁ千鶴』
「なぁに名無しさんちゃん」
薄桜学園の1年生でたった2人の女の子、千鶴と名無しさん。今2人は男子の居ない教室で、秘密のお話をしようとしています。
『好きな奴いんの?』
「えっ?」
『…好きな奴だよ』
「名無しさんちゃん」
『…いやあたしも好きだけど…男でだよ』
「えっ…い…いな『いんだろ(笑)』
「…怒んない??」
『何で怒んだよ』
「あのね…」
「気になる人が3人いるの…」
(えっ…)固まる名無しさん。
「名無しさんちゃん?」
『贅沢だな』
「えっ…うん?贅沢…かな…」
『まぁわからないでもない』
「えっ!?本当!?」
ダンッと勢いよく立つ千鶴。
『まぁ…座れよ(笑)』
『とりあえず誰』
「えっ…その…」
モジモジしている千鶴。うん。恋する乙女だ。可愛い。
「ひ…1人目は平助くん。」
「明るくていつも元気付けてくれるの」
『うん』
「2人目はね…その…土方先生」
『…鬼かよ』
「うん鬼みたいなんだけど…真剣に物事を考えて…なんか頼れるし…大切にしてくれるし…あっ…今は生徒としてね!!」
『(鬼みたいなんだけどっていっちゃったよ千鶴)』
『最後は?』
「…………………………………………………風間先輩」
『おぁお?ちぃちゃん??まじか』
「ちょっと強引だけど…優しいし…」
『あぁん〜3人と付き合えたら、素晴らしいな』
「えっ!?無理だよそんなの…」
『ですよねー』とミルクティを飲みながら笑っている名無しさん。
「名無しさんちゃんは?」
『んー秘密』
「ずるーい!!教えてよ!!」
『えーだって居ないもん』
「嘘だー!!」
『さぁ??(笑)』
「知りたい知りたい」と騒ぐ千鶴の頭を撫でながら笑う名無しさん。
廊下で立ち聞きされている事に気付かずに…。