紅桜

□九
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目を覚ましたあの日から…
名無しさんちゃんは…日に日に力を取り戻していった。


『千鶴ーあの雀喰えるかな?』

「えっだっだめだよ!!」

『クッ…冗談…』

「もう!!今の目は絶対本気だったでしょ!!」


今は縁側で千鶴ちゃんとお茶を飲んでいるところ。


『総司…立ってないで座れば?』

「君って気配消しても意味が無いから、ある意味つまらないよね」

「お…沖田さんいつの間に…」


廊下の角に隠れていた僕…。


「思ったより早く治って良かったじゃない?あっ…千鶴ちゃん僕にもお茶くれる?」

「あっはい!!名無しさんちゃんのも入れ直してくるね!!」

『うん…ありがとう』


僕は千鶴ちゃんの姿が見えなくなったのを確認してから、名無しさんちゃんの隣に座った。


「よいしょ」

『ふっ…』

「何さ?」

『年寄りみてー。よいしょって(笑)』

「……君もたまに言ってるよ」

『………嘘だね』

「本当だよ」

『…………えー』

「ところでさ…」

『ん?』

「…………………」

『なんだよ総司(笑)』

「………おやつ何にしようか?」

『そうだなー。久々に団子喰いたいな』

「じゃあ後で買ってくるよ」

『やったね♪』

「一君がね」

『……………』


聞けないよ…
今の名無しさんちゃんの…
不知火への気持ちなんて…
























きっと君は嘘をつく。








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