短編用
□Hammer Boy
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「俺が何を心配するって?」
「いや、だから私の水着姿が…」
「はっ…そんなペッタンコな胸で?ナマエみたいな色気がない子の水着姿なんて誰も興味ないでしょ?まったく…暑いんだから笑わせないでくれる?よけいに暑くなるからさぁ!」
マジで爆笑する臨也
さすがにこれはカチンときた
「そーですね!どーせ…私は色気がありませんよ!!臨也だって杏里ちゃんみたいな子と海に行きたいでしょうし?なら、杏里ちゃんと行けば?ってか杏里ちゃんと付き合えば?この変態!ロリコン!!」
―ガタッ
「な〜んで俺が園原杏里なんかと海に行ったり、付き合わなきゃいけないわけ?」
変態に怒ったのか、ロリコンに怒ったのか…
はたまた違う言葉に怒ったのか
臨也は眉間に皺を寄せていた
「だって去年は杏里ちゃんと海行ってんじゃんか!!」
「一体どこからそんな写真をみつけてきたの?」
臨也の言う通り、ナマエの手にはどこからもってきたのか
海で撮ったであろう臨也の写真があった
「新羅にもらいました」
「アイツ……ってか、それって園原杏里以外にも人いるじゃんか」
確かに臨也と杏里以外にも帝人や正臣、静雄などの姿もあった
「あ、ホントだ…やっぱ静雄ってかっこいいね」
「……ふーん」
ナマエの一言に臨也はいっそう眉をひそめた
「あ、勿論!私が一番愛してるのは臨也だから」
「……当たり前」
言葉は素っ気ないが少なくとも臨也の表情には喜びの色が含まれていた
「ホント…何で皆と行っといて私はダメなんだよ!」
「興味を引くものがないからねぇ…ナマエとじゃ…それに、その時は帝人くんがいたからってのが一番の理由かな?ほら、彼ってすっごく面白いだろ?」
言っていて楽しくなったのか…
臨也は椅子に乗ったままクルクル回り始めた
「よくわからないけど、臨也がそう言うと怪しいからやめてよ……私も臨也と海行きたいよ〜!ってか!臨也…海パンって!!ダッサ!しかもアヒルの浮き輪って………泳げないわけじゃあるまいし!!」
「…………」
写真をみて爆笑するナマエの言葉を聞いて、臨也はピタリと動きを止めた
「臨也?……!もしかして!!」
ここで何かに気付いたようなナマエの様子を見て、臨也はばつの悪そうな顔をした
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