短編用
□Hammer Boy
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………暑い
「暑すぎる!!」
「クーラーつけてるだろ?」
ただいま、私…ナマエは彼氏である臨也のマンションに来ていた
確かにクーラーはついてる
………………が
「いや!なんか雰囲気が暑い!」
「意味わかんないし」
「というわけで海に行こう!!」
「…もっと意味わかんない」
なお、海!海!と騒ぐナマエに臨也は溜息をこぼした
「煩い」
「だって海に行って泳ぎたいんだもん!」
「なら、俺は海なんか行っても暇だし、泳ぎたくないもん」
「うわ…『もん』とかって言わないでよ臨也のくせに…」
「その目やめてくんない?」
ナマエは冷めきったというか、ドン引きした目で臨也を見ていた
「まぁ、百歩譲って海に行ってもいいとする。でも泳ぐ必要性なんてないんじゃないのかい?」
「はぁ?!海に行ったら泳ぐべきでしょ?」
「それは君の…ナマエの考えだろ?別に海は泳ぐための場所じゃないじゃない。泳ぐべきと言うのならナマエは真冬の海でも泳ぐとでも言えるのかい?言えないだろ?だから海は泳ぐための場所じゃない」
相変わらずペラペラと…
「なに?臨也は泳ぎたくないってことなの?」
「まぁ、そうだね」
スポーツできそうな臨也が…
「……あ!わかった!!」
「なにが?」
臨也が泳ぎたくない理由について
ナマエのちっさな脳はその答えを導きだした
「も〜臨也も可愛いとこがあんじゃんかぁ〜♪」
「……気持ち悪っ」
「ひどっ!!」
急に機嫌の良くなったナマエに対し、臨也は怪訝な表情をみせていた
「私のことを心配してくれてるんでしょ?」
「……は?」
ナマエの答えに臨也はポカンとしていた
「ちょっと待って…本当に意味がわかんないんだけど」
「だ〜か〜ら〜!臨也はさ!私の水着姿を他の野郎にみられるのが嫌なんでしょ?だから海に行くのはよくても海で泳ぐのはダメなんでしょ?」
「…………は?」
「え?」
この日、臨也は一番冷たい声になっていた
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