短編用

□訳:それでも君が好き
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日曜日。
ナマエとのデートのため、静雄は池袋の街を歩いていた


─じゃあ!日曜日の朝10時!イケフクロウの前でね♪


「……フッ」


デートの約束をする時のナマエがあまりにも嬉しそうだったのを思いだし、静雄は一人にやけながら待ち合わせ場所へと向かった


「やめて下さい!」


そんな時だった


「いいじゃねぇかよ!」


聞きたくも、見たくもない光景が静雄の前に広がった


「姉ちゃん一人だろ?オレらと遊ばない?」


ナマエが不良にナンパをされていたのだ


「だから!私は今、彼氏を待ってるの!貴方たちとは付き合ってる暇なんかない!!」


「この女ァ!!下手にのってたらいい気になりやがって!!」


不良はナマエの手首を思いっきり掴んだ


「きゃっ…!」


「!!」


ナマエの悲鳴が聞こえた瞬間、静雄は不良をおもいっきり殴った


「ぬぐぅ!!」


「し、シズ…」


「大丈夫か?ナマエ」


「うん」


ナマエは静雄にギュッと抱きついた


「まままままま…まさか…か、彼氏って……」


「あぁ?なんだ手前ら…」


「「平和島静雄だぁー!!」」


ナマエの彼氏が静雄だとわかると、不良たちは一目散に逃げていった


「ありがとう…シズ」


怖かったのか、ナマエは静雄の服の裾を掴んでいた


「じゃあ…行くか」


「うん!」


ナマエと静雄の2人は騒めく池袋の街を静かに歩き始めた

黒く、怪しい影が笑っているとも知らずに……


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「シズとの久しぶりのデート楽しかったな〜♪」


卒業してもまた行きたいな。と少し寂しそうに笑うナマエ

そんなナマエの表情が静雄にはとても不思議だった

「何言ってんだ?…卒業してもくればいいだろ?」


ナマエは俯いた。
そして、足は止まった


「?どうかしたか?」


「シズ…あのね……私、シズに言わなきゃいけないことがあるの」


ナマエはゆっくりと顔をあげた


「私…実は「平和島ぁあああああ!!」


何かを呟こうとしたナマエの言葉を遮って、誰か分からぬ怒号が響いた


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