短編用
□訳:それでも君が好き
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放課後…部活になんか入ってない俺はカバンを持って門をくぐっていた。
門をくぐって暫くして、後ろからタタタッ!と足音が響いてきた
「シズ〜!一緒に帰ろ♪」
「あぁ…」
高3の冬。俺は彼女ができた
生まれて初めての彼女だ
嬉しそうに隣を歩く彼女に頬が緩むのを感じる
「なっ!お前なにしてんだよ」
「いいじゃん!シズの手温かい」
急に俺の手を握る彼女…ナマエ
やっぱ俺より小せぇな……手
俺も彼女の手を握り返したかった
でも力の強ぇ俺が、か細いコイツを壊しちまうんじゃないか…
そう考えていつも握り返してやれなかった
「なぁ、ナマエ…」
「ん?なに?」
「す、好きだ…///」
「!………私もだよ」
だから俺はその分…なるべく言葉で彼女に愛を伝えた。
彼女も言葉で愛を返してくれた。
――――――――
―――――
暫く道を歩きそろそろナマエの家も近くなってきた
(もうそろそろコイツの家か…早ぇよな……)
もう少し、いやもっと彼女と一緒に歩いていたかった静雄は溜息を洩らした
「シズとのこんな会話…あと何回できるんだろうね」
ふと、ナマエが呟いた
「?何回でもできんだろ?」
俺の言葉にナマエはクスッと笑っていた
「確かにずっと一緒にいれたらいいのに…」
ナマエが何を言いたいのか俺には分からない
「なんか、よく分かんねぇけど…俺はお前を離す気なんてねぇよ。ずっと一緒にいてやる」
それが率直な気持ち。俺の思い。
「シズ…」
握っていた手を離して、ナマエは静雄の腕に抱きついた
「ナマエ!?///」
驚いてナマエを見ると、ナマエは顔を赤く染めて上目遣いで微笑んでいた。
「約束だからね?」
「あぁ。」
「絶対、離さないでよ」
「あぁ…」
そんなナマエがたまらなく愛しくて
俺は彼女を傷つけないように
壊してしまわないように…
「離さねぇっていってんだろ?」
優しく彼女を抱き締めた
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