短編用

□訳:それでも君が好き
1ページ/7ページ


放課後…部活になんか入ってない俺はカバンを持って門をくぐっていた。

門をくぐって暫くして、後ろからタタタッ!と足音が響いてきた


「シズ〜!一緒に帰ろ♪」


「あぁ…」


高3の冬。俺は彼女ができた
生まれて初めての彼女だ

嬉しそうに隣を歩く彼女に頬が緩むのを感じる


「なっ!お前なにしてんだよ」


「いいじゃん!シズの手温かい」


急に俺の手を握る彼女…ナマエ


やっぱ俺より小せぇな……手


俺も彼女の手を握り返したかった

でも力の強ぇ俺が、か細いコイツを壊しちまうんじゃないか…
そう考えていつも握り返してやれなかった


「なぁ、ナマエ…」


「ん?なに?」


「す、好きだ…///」


「!………私もだよ」


だから俺はその分…なるべく言葉で彼女に愛を伝えた。

彼女も言葉で愛を返してくれた。


――――――――
―――――

暫く道を歩きそろそろナマエの家も近くなってきた


(もうそろそろコイツの家か…早ぇよな……)


もう少し、いやもっと彼女と一緒に歩いていたかった静雄は溜息を洩らした


「シズとのこんな会話…あと何回できるんだろうね」


ふと、ナマエが呟いた


「?何回でもできんだろ?」


俺の言葉にナマエはクスッと笑っていた


「確かにずっと一緒にいれたらいいのに…」


ナマエが何を言いたいのか俺には分からない


「なんか、よく分かんねぇけど…俺はお前を離す気なんてねぇよ。ずっと一緒にいてやる」


それが率直な気持ち。俺の思い。


「シズ…」


握っていた手を離して、ナマエは静雄の腕に抱きついた


「ナマエ!?///」


驚いてナマエを見ると、ナマエは顔を赤く染めて上目遣いで微笑んでいた。


「約束だからね?」


「あぁ。」


「絶対、離さないでよ」


「あぁ…」


そんなナマエがたまらなく愛しくて
俺は彼女を傷つけないように
壊してしまわないように…


「離さねぇっていってんだろ?」


優しく彼女を抱き締めた


.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ