短編用
□猫優先な君へ
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「シズ!みてみて!今週の木村動物園!!猫特集だ♪」
今日、静雄の部屋には静雄の恋人であるナマエが泊まりに来ていた
もう付き合って何ヵ月かたつが…ナマエが静雄の部屋に来るなんて初めてのことで、静雄は緊張していた
「…ナマエは相変わらず猫、好きだな」
「だって可愛いじゃん」
「俺は犬派だけどな」
「シズっぽいね」
俺っぽい?俺っぽいってどういうことだァ?
ナマエはさっきから木村動物園とかっつうテレビ番組ばっか見て、一向に俺の方を向こうとしねぇ…
「だいたいよ、猫のなにが好きなんだよ…手前は」
「うーんと…最初はあんま懐かなくてツンツンしてるのに、慣れたら凄く甘えてくるところかな?ほら!ツンデレだよ!ツンデレ!!猫にはツンデレがあるね」
つ、ツンデレ?
何故か人で納得するナマエ
わけわかんねぇ
「意味わかんねぇよ」
「えぇ?そう?あ、あとさ…なんか猫みてると若干シズみたいだな〜って思ったりする」
「俺?」
犬っぽいとか、猫っぽいとか…俺はれっきとした人間だっつーのに
「なんで今度は猫なんだ?」
「ほら、初めてシズに会った時…高校二年くらいかな?最初シズなんか冷たくてツンツンしてたけどなんか…慣れたらよく話し掛けてくれるようになって…可愛かったなぁ…シズ」
「おま…男に可愛いとか……」
そこまで言い掛けて静雄はあることを思いついた
「………!?ちょ、シズ?///」
静雄はソファに座っているナマエの膝に頭を乗せて横になった
いわゆる膝枕というものだ
「な、なにして……///」
「なにしてって…俺はお前に慣れた、だから甘えてる」
ドストレートな静雄の言葉にナマエは顔を真っ赤にさせた
あ、今…木村園長の話…全然頭に入ってこなかった…
「だからって何で……急に…///」
「……嫉妬ってやつ?手前が猫のことばっか言いやがるからいけないんだろーが」
言葉は乱暴だか静雄の目は優しくナマエを見つめていた
「シズ……猫は動物だよ?」
「人間だって動物だ」
「でもさ…「取り敢えず」…?」
「取り敢えず、俺は手前と…ナマエと2人でイチャつきてぇんだよ」
静雄があまりにも真面目な顔で言うのでナマエは恥ずかしくなった
「シズってば…我が儘だな」
「あぁ?」
「でも、そんなシズが好き」
ナマエは優しく静雄の頭をなでた
「ずっと側にいてよ?シズ…」
「手前が嫌がっても側にいてやるよ…ずっとな」
「それは強引じゃない?」
「大丈夫だろ…」
手前は俺のこと、嫌いにならないだろ?
そう呟いた静雄にナマエは微笑みを返した
たまにはいいだろ
((あのさ…シズ……))
((なんだよ))
((浮気しないでよ))
((するわけねぇだろ))
→幽