短編用
□猫優先な君へ
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「見てください臨也さん!」
道を歩いていたらナマエが何かを発見した
「にゃー」
「可愛い!!」
子猫が段ボールに入れられていた…まぁ、どっからどうみても捨て猫だね
「本当だ…黒猫だね」
「はい!まるで、臨也さんみたいですよね!」
ずっと猫を触り続ける彼女…
「臨也さんも触って下さいよ」
「人間以外に興味ないし触ろうとは思わないなぁ」
「……なんか…変態発言みたいですよ」
ナマエは冷たい視線…いや、可哀想だとでも言いたげな目で俺を見た後、子猫を抱き上げて「だから、臨也さんは彼女ができないんですよ」なんて言う
失礼だ
「ナマエさ、失礼じゃない?」
「そうですか?」
俺とナマエは恋人などではいない…まぁ、簡単に言えば上司と部下の関係
「ってか、臨也さん好きな人いませんよね?あ、そっか人、ラブなんでしたっけ?イタイですね」
「ほっといてよ」
未だに猫と戯れるナマエ
「ねぇ、いい加減帰らない?猫なんかほっといてさ」
「えぇ……」
「………飼ってもいいよ?」
「え?!本当ですか?」
「本当」
「ありがとうございます!!」
嬉しそうに笑う彼女…
確かに人間は好きだけど彼女だけは特別……
でも、彼女はそれに気付かない
「臨也さん、いつもそのくらい好い人だったら彼女できるのに」
「煩い。ってか、俺だってちゃんと好きな子…いるんだよ?」
ナマエ、驚くかな?
俺はそう思って言ったのに当の本人は「へぇー」と生返事だった
「ねぇ…聞いてんの?」
「あ、はい…好きな人がいるんですよね?まぁ、臨也さんなら黙ってれば顔はいいですから大丈夫ですよ」
そう言って俺と目をあわせない彼女…なに?また猫なわけ?
彼女が猫好きなのは知っていた
だけど、ここまでくると流石に面白くないだけで
「ギャッ!!」
俺は猫の首根っこを掴んでナマエから引き離し、怪我をしないように(ナマエがいたから)猫を草むらへと放り投げた
「ちょ、臨也さん!!?」
驚いた猫は一目散に逃げていった
「臨也さん何であんなこ…「俺は君が他のものばかりに興味を持つのが面白くない…ここ重要」……はい?」
俺の言葉に彼女は首を傾げた
「よく意味がわかりません」
はぁ…コイツ馬鹿、大馬鹿だ…
「今までの俺の行動で気付かないなんて…馬鹿すぎるよ」
「な、なんで急に馬鹿呼ばわれされなきゃなんないんですか!!?」
「俺は君が好きだから」
「…………は?」
は?って…そりゃないよね?
「なに?他のリアクションとれないわけ?」
「いや…私が好きなら何で私が嫌がることするのかなって」
「嫌がること?」
俺が問い掛けると
「ほら、私の携帯に入ってるメアドとかのデータを消したり…静雄さんにもらったハンカチとか燃やすし……さっきだって猫ちゃん………逃がしちゃったし…」
他にも…と色々語る彼女
俺ってそんなに嫌がらせしてたっけ?ってかさ…
「ナマエさ…本当にわかんないの?鈍感だね」
「え?」
「そんなの、ナマエが俺以外の奴と仲良くしたり、興味をもったりするのが嫌なだけに決まってんだろ?ナマエは俺がいればいいの!まぁ、ナマエには拒否権はないんだけどね……俺、嫉妬深いからさ」
俺の言葉でやっと俺の行動の主旨を理解したのか
ナマエは顔を真っ赤にさせていた
独占欲、だからなに?
((もう、俺以外みるの禁止))
((む…無茶ですよ……ι))
→静雄