短編用
□好きだったんだ
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「………んっ」
目を開けるとそこには白い天井が広がっていた
私…生きてる……
「…………新羅くん?」
目の前には臨也の友達の新羅くんが心配そうな顔をしていた
「あぁ…良かった……気分はどうだい?セルティもお見舞い来たがってたんだけど…流石にセルティは無理だろ?あぁ、本当によかった……まさに絶体絶命のピンチ状態だったんだよ?」
よく喋る新羅くん…かなり心配してくれていたんだろう………
新羅くんは私が小さい時から面倒をみてくれた…私のお兄ちゃんのようなものだった
「新羅くん………臨也は?」
新羅くんから笑みが消えた
「はぁ…まさに青息吐息だよ」
新羅くんは真面目な顔になると冷たい声で一言いった
「臨也とは別れなよ」
「え……」
「悪因悪果とはよく言うけど、今回被害をうけたのはナマエちゃんだ…これ以上臨也の傍にいたらなにがあるかわかったもんじゃない…」
「でも私は臨也の傍にいたいの」
「あのね、人との出会いは一期一会だとか合縁奇縁とか言うけど…臨也との出会いが千載一遇なわけじゃないんだよ?もっと自分を大事にして……じゃあ僕はいくよ?」
病室から出ていく新羅…
もともと…新羅くんは私と臨也が付き合うことをよしとしなかった…そのうえこの状態だ…
でもね、新羅くん…違うよ?臨也はそんな人じゃないよ……
私が不注意だっただけなの…
臨也は悪くない………
臨也に会いたい……
しかし、その日に臨也が顔をみせることはなかった
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あれから1ヶ月近くたち私の深かった傷口も徐々によくなっていった…
「ナマエちゃん…もうそろそろ退院できるって」
私が淋しくないようにか…毎日新羅くんは病院に足を運んできてくれた
「いやぁ〜これで私もセルティも安心でき…「……や…」……?」
「臨也……………」
新羅くんは優しい…
それに暖かい…………
それでも私は臨也に会いたい
臨也が見たい………
臨也と喋りたい………
臨也…臨也……臨也………
どうして来てくれないの?
ドウシテ…………?
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