短編用

□好きだったんだ
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それは突然のことだった


「ミョウジナマエさん…ですね?」


「へ?」


「折原臨也さんの大切な方」


たくさんの人が行き交う街中…どこからともなく聞こえる声………


「だ、誰!?」


―ドスッ…


「うぅっ………」


振り返ったと同時に腹部に激痛が走った
そしてその痛みの正体は自分のお腹に刺さるナイフによるものだと自覚する

最後…倒れるナマエの耳に聞こえたのは、彼女にしか聞こえないほどの小さな声だった


―死んでもらいますね


彼女はゆっくり瞼を閉じた
今聞こえるのは人々の悲鳴……電話の音………中にはカメラのシャッター音などが聞こえる

そして薄ら聞こえる救急車のサイレンの音………


臨也………い……ざや……


そこで彼女は意識を手放した


――――――――
―――――

〜♪


鳴り響く携帯のバイブ音
2コールでその携帯の持ち主は通話ボタンを押した


「やぁ、新羅からかけてくるなんて珍しいんじゃない?」


『やぁ、なんて言ってる場合じゃないよ?!大変だよ!ナマエちゃんが…「街中で刺されたんだろ?」……知ってたのか?』


「街中で刺すなんて…犯人は随分と大胆な奴なんだねぇ」


臨也の表情は笑っているが冷たいもので、携帯越しでもわかるだろう…新羅の声は冷たくなっていった


『そんなことはどうだっていいんじゃないの?だいたい…君の所為でナマエちゃんはこんな目にあったんだろ?』


「はぁ〜一々俺の所為にされちゃたまったもんじゃないね」


『笑い事じゃないだろ?ナマエちゃんに聞いた話じゃ犯人はナマエちゃんが臨也の彼女って知っていたらしい…それに彼女は犯人に死ねって言われ…コレ完璧臨也に恨みをもってるや………』


ツー…ツー…


臨也は新羅が話しているにも関わらず電話を切った


「まったく煩い奴だなぁ〜新羅は……」


臨也はそのままパソコンに向かい電源を入れ、何かを調べ始めた


カタカタカタ……カチャッ


「ふーん……来良総合病院ね」


それだけ言うと臨也はパソコンを閉じ、黒いコートに袖を通した


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