短編用

□お菓子じゃなくて
1ページ/3ページ


「トリックオアトリート」


「は?」


放課後…日直の片付けをしていたナマエは目の前の男に思わず冷たい視線を送った


「『は?』は酷いなぁ〜ナマエちゃんは〜」


傷ついたよ〜と手で顔を隠して嘆くというオーバーリアクションをとるコイツ
折原臨也はナマエの同級生なのだが…


「臨也うざい…あとちゃん付けすんな!ナマエって呼ぶな!!」


馴々しい!!!
兎に角馴々しい!!!


「シズちゃんにはナマエちゃんのこと呼び捨てなのに俺は駄目なわけ?」


「シズは下心がないが、お前にはありすぎ…ってかそれしかないだろ」


「……チッ」


は?なに?!
コイツ今舌打ちしやがったよな


「なに?マジで下心しかないのかお前は!!」


「まぁ、そんなことよりトリックオアトリート」


し、しつけぇ………


「てかさ、何でトリックオアトリート?」


「馬鹿だなぁ〜ナマエちゃんは…今日は10月31日…ハロウィンだよ?」


「うわっ!うざっ!!!ハロウィンくらい知ってるよ!!何で今聞くんだよって聞いてんだよ!!」


「ほら、お菓子をくれなきゃ悪戯するよ?って言いたいんだよ俺は」


「お前の場合お菓子やっても悪戯すんだろーが」


「まあね」


ケタケタ笑う臨也
マジでなんなんだコイツ


「で、なに?お菓子欲しいの?今お菓子ないんだけど…」


そう言った瞬間。
臨也は盛大なため息をついた


「ナマエちゃんは鈍感だねぇ〜俺がただのお菓子を欲しがると思ってるのかい?」


あぁ、きたよ…臨也のうざスイッチが入りやがった


「………」


こういうのは無視に限る


「………ねぇ聞いてる?」


無視無視


「おーい!ナマエちゃ〜ん?」


無視無視無視


「全く…鈍感な上に無視するなんて……シズちゃん並みの単細胞だねぇ〜」



無視無視無視無視……



















無理!!!!!!!!


「アンタいい加減に静かにしてってば……」
「俺が欲しいのはお菓子じゃなくてナマエちゃんだよ」


「……は?」


2人の声が重なった


.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ