短編用

□雨とキス
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「…キスぐらい、いいだろ?」


「嫌よ!!だって…」


ただでさえ、晋助の近くにいるだけでこんなにドキドキしてるのに
キスなんてしたらおかしくなっちゃうよ……


「…ハァ…たかがキスなのにな」


たかが……キス……?


「たかがキスって?」


ナマエは俯きながら言った


「…あぁ?キスなんて恋人なら誰でもしてんだろ?ったく…お前はそこんところが可愛げねぇな」


ズキッ


「他の女は普通…「他の女?なら、その普通の女の人とキスすれば?」…あぁ?」


お前何言って…そう言い掛けた晋助が見たのは涙を流すナマエ


「だいたい…鬼兵隊の仕事の時だって勝手に行っちゃって…私を連れてってくれないのに」


不安…ただ不安だった…


「…地球に帰ってくる晋助は女の人の香水の匂いがするし」


「それは…」


「私も…その他大勢の女の人の1人?…いや、それ以下なのかな」


「違っ…「晋助の馬鹿!!」待てっ!!」


ナマエは雨の中を走って行った


――――――――
―――――


「………ハァ」


他の女は普通…か…
晋助は女の人の扱いに慣れてるんだろうな…


「エロいもん…晋助」


「失礼だな」


「…!!?」


振り替えると晋助が立っていた

肩で息をして、髪はびしょ濡れだった


「晋助!雨の中走ったの!?風邪をひいたらどうする……キャッ///」


近づいたナマエを抱き締める晋助


「晋…助?」


「勝手に俺から離れてんじゃねぇよ…お前は俺のものなんだからよ」


「……その他大勢の?」


「違ぇよ!!俺が愛してんのはナマエだけだ…」


「でも、『他の女は』って…」


「それは、言葉の綾だ…ごく普通の一般的な彼女って意味で……」


『あー』と髪をわしゃわしゃする晋助


「フフフ…」


「何笑ってんだ?」


「なんだか…いつもクールなのに…晋助らしくない」


「………俺らしくなくなるくらいに、俺はお前に惚れてるってだけだ」


「……///」


晋助って…
こんな事も言うんだ


.
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