短編用
□雨とキス
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ポツポツと…雨が降る
ナマエは近くの甘味処で雨宿りをしていた
「ナマエじゃねぇか」
「晋助!?」
そこへナマエの彼氏、晋助が傘をさして歩いて来た
「良かった〜ねぇ、晋助…傘に入れてくれない?」
「いいぜ…だけどな」
クククと喉で笑う晋助…
ヤバい、この笑い方は
「ただし"キス"をしたらな。勿論お前からな」
や………やっぱり!!
「な、何でよ!!?」
「ククク…なら、びしょ濡れになって帰るんだな」
まぁ、それはそれで色気があっていいな…と笑う晋助
こ…………この変態野郎!!
「い……入れて」
「キス」
「〜っ///」
「どうした?入るのか?入らないのか?」
「い、意地悪…お願い晋助」
「///…お願いの仕方があるだろうが『お願いします。入れて下さい』…だろ?」
晋助は顔を背けたが耳は赤かった
でも、意地悪にはかわりない
「晋助様…お願いします。い、入れて下さい…」
『様』は要求してねぇんだけどな
ククク…とことん面白い女だな
「いいぜ、入れナマエ」
「!?…ホントに!!?」
「早くしねぇと置いてくぞ」
「あ、待ってよ!」
そう言って晋助の肩にくっつくナマエ
「しかし…ナマエも厭らしい奴だな」
「は!?何でよ!!?」
「まさか、自分からキスする選択を取るなんてな…」
「え"っ!!!!キスのは無しじゃないの!!?」
「俺がいつ無しなんて言った?」
「うっ……ι」
た、確かに…
一言も言ってないけど…
「でも、騙したんじゃない!」
「騙したなんて人聞きの悪りぃ奴だなぁ…お前の注意力が足りねぇだけだろ」
「まさか、ここまで卑怯な奴だとは……」
「俺はてめぇがキスしてくれるんならどんな手でも使うけどな」
「………」
それはそれで嬉しい…
「今、『それはそれで嬉しい』って思ったろ…やっぱ厭らしいな」
「…っ///思ってないよ!!」
そっぽを向くナマエ
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