短編用
□愛、狂い咲き
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ドゴォンッ!!
「ナマエ…」
神威は逃げようとしたナマエを逃がさないようにナマエの横の壁を殴りつけた
「待って!神威、怒ってるの……?ねぇ……何で」
「分からないの?」
ニコリと微笑む神威
笑ってはいるが、鋭い殺気にナマエは立っているのもやっとの状態だった…
なかなか応えないナマエに神威はゆっくり口を開いた
「何でって…君が俺を裏切ったんでしょ」
「え?……裏切った??」
「こないだ一緒に居たよね…侍さんと」
「侍?」
もしかして
「晋助のこと?」
"晋助"という名前を出した瞬間に神威はナマエの首を片手で締め始めた
ナマエの足がゆっくりと、地から離れていく
「晋助……へぇ…2人は名前で呼び合うなかなんだ……」
「か……神威…苦しい……離して……」
神威のナマエを締める手にだんだん力がこもる
「ナマエ…俺はナマエが好きだヨ?ナマエを一番愛してる…だから他の奴と仲良くしてると嫌なんだよね………」
「神威、私と晋助は、そんな関係じゃないよ……私も神威を一番愛して、る…」
「本当に愛してる?」
神威は優しく微笑む
「愛してるよ…だから……許して…お願い」
「許して欲しいの?ならさ、俺の為に死んでよ」
「……!?」
そうだ……神威は狂ってる…
異常な程に狂った愛を私に注いでいるのだ
そして…………
「それが神威の願いなら、私を殺して?」
私も………狂った愛を神威に注いでる
ブシャァアアアッッ!!
神威はナマエの頭を捻り潰した
「おいっ!!団長!!なにやってんだ!!」
慌てて部屋に入ってきた阿伏兎の声すら神威には届いてはいない
神威はただニッコリと手についた血を舐めながら微笑んでいた
ナマエ………
これで君の全ては俺のもの
もう誰の手にも触れさせない
神威の周りに飛び散った血は
まるで彼岸花のように
赤く美しく咲き狂っていた
END
→あとがき