短編用

□私を呼んで
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ナマエと付き合って月日がたった

ずっと一緒にいる分ナマエと彼女がどんどん重なっていく

だが、それと同時にちょっとした違いを見つけると、ナマエは彼女じゃないという現実に引き戻される


「なぁカカシ…」


ふとそんな時、アスマがオレに話し掛けてきた


「なに?…アスマ」


「お前、今日もナマエとデートに行くのか?」


「そうだけど」


真剣な顔をしているアスマ


なに?文句あんの?


「いい加減にしろよ」


「は?」


「これじゃあナマエと…アイツが可哀想だ」


ナマエとアイツ…


「アスマに何がわかんの?別にナマエはオレが好き…オレもナマエが好き…」


「お前が好きなのは死んじまったナマエの方だろ!!」


驚いた。何でアスマがそんなにも声を荒げる?


「アスマには関係ないでしょ?」


「確かに関係ねぇが…あまりにも酷すぎる」


「ナマエだって彼女だってわかってくれるよ」


だってオレが愛した女だ…


「…ナマエなら」


「………」


「……じゃ、オレ今からデートだから」


「おいっ!待てカカシ!」


アスマ…これでもオレだってわかってんのよ?
でも、ナマエが彼女に見えてしかたないんだ…


カカシが待機所から出た時、何か違和感を感じた
ついさっきまで何かいたような…


「気のせい……かな?」


そう呟いた瞬間外から雨の音が響いた


「……!」


何故だろう…体がゾワリとした
早くナマエのとこへ行かなきゃいけないと思った


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―――――


カカシはナマエのいる待ち合わせ場所まで走った


ザァー…


「……ナマエ」


するとそこには雨にうたれながらカカシを待っているナマエがいた
ナマエの表情は曇っていた
だが、カカシは雨にうたれているナマエと身体の弱かった彼女が重なってみえてしまい、ナマエの表情にまで気持ちが回らなかった


「ナマエ!!」


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