短編用

□私を呼んで
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「……はぁ」


また告白をされた
嫌な気分ではない。寧ろ嬉しいことだった…

でも、私にはもう好きな人がいる
一目惚れだった
彼は私をよく見てくれる
だけど私を見てくれない

彼は一体何を見ているのだろう


ナマエは再度、深いため息をついた


「あんまため息つくと幸せが逃げちゃうヨ?」


「……カカシさん」


そんな時、先ほどまで自分が考えていた彼がきた

ね、また私を見ていて見ていない…彼の瞳は一体何を写しているのだろう


「…カカシさん」


「ん?」


「私……カカシさんが好きです」


「え?」


気付けば口から言葉がもれていた
でも、言わずにはいられなかった
だって本当の意味で私を見てほしかったから…
彼の瞳に写りたかったから


「あ、ごめんなさい…迷惑ですよね…私なんかに」


困った顔をした彼をみて『しまった…』と思った
彼は里の誉れ…どう考えたって私なんかじゃ釣り合わない


「いいよ」


そんな私に耳を疑うような言葉が返ってきた


「君となら付き合っても」


驚いた


「本当にですか?」


「本当だよ」


優しく笑った彼の瞳に今度こそ自分が写る…そう思えた


「カカシさん……ありがとうございます」


「泣かないでよ」


気付けば私は泣いていた


「だって…嬉しくて」


「……ありがとう」


彼はそっと私を抱き締めて頭をぽんぽんと、赤ちゃんをあやすかの様に優しく撫でてくれた
それだけで私の心はホッとした。
口元が緩むのを感じた


「ナマエ…これからもまた宜しくね」


「はい」


愛しそうに私の名を呼ぶ彼に私は胸がキュンとなった

もっと名前を呼んでほしい
もっと私を見てほしい


私の思いはどんどん溢れるくるばかりだった


――――――――
―――――


驚いた。
理由はナマエがオレのことを好きだということ

彼女にそっくりなナマエを見ていると、ナマエの告白にオーケーをしている自分がいた

嬉しさのあまり泣き出したナマエを優しく抱き締め、頭を撫でた

緩みきったナマエの表情






あぁ…なにもかもが彼女と一緒だ


俺はまた彼女と一緒に……


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