俺的彼女
□君だけ別物
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「………ハァ」
「んだよ、溜息は止めろよなカカシ…こっちまで不幸が来ちまいそうだ」
上忍待機所では煙草をふかすアスマと盛大な溜息をついているカカシがいた
「黙ってよ……ったく…なんでこんな日があんのかね…ヤになっちゃうヨ」
「女どもか?」
モテる男は辛いね〜なんて他人事のように(実際他人だが…)ほざくアスマ
雷切を打ち込んでやりたくなってきた……
「バレンタイン…消えろ」
「はいはい……本当にカカシは甘いもの嫌いなのね」
さっきから2人の様子を見ていた紅も呆れ顔だった
そう、今日は2月14日…バレンタインの日なのだ
毎年この時期になるとカカシの前にはたくさんのチョコレートと女の子が押し寄せる………
甘いものが大嫌いなカカシにとって、この日里中が纏っている甘い匂いや空気は耐え難いモノだったのだ
―バタン
「おはようございます」
そんな時、今のカカシにとって一番の救世主が現れた
「お、旬じゃねぇか」
「アスマさん、おはようございます」
そう、秋乃旬だった
「旬〜vV」
先程の暗い空気から一転、周りに幸せMAXな空気を漂わせながらカカシは旬に抱きつこうとした…………………が
「あら?旬、なに?その大量の箱は………」
「あ、紅さん!えっと…これですか?これはチョコレートです」
彼女の腕の中には大量のチョコレートがあったのだ
「な…なんでチョコレートが…」
まさか…旬も待機所の男に配るとか?
いや、旬のチョコなら食べたい!死んでも食べたい!だが、他の男にやるなんて
「駄目だよ!!!」
「?なにがですか?カカシさん」
急に叫ぶカカシを怪訝な目でみる旬
「旬、その大量のチョコどうしたの?まさかそれ待機所の男どもに配る気?」
「え?オレが男にチョコ?そんなわけないじゃないですか紅さん!!」
笑いながら答える旬にカカシは少し喜びを感じ、同時に自分も貰えない悲しみを感じた
「それに、このチョコは…」
旬がそう言い掛けた時だった
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