血桜吹雪少女

□思い出のビデオレター
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『・・・寝すぎた』



ベットにある時計を見てそうつぶやく
むくむくとベットから起き上り、顔を洗う

鏡の自分と向き合うとふと、鎖骨に目線がいく





『・・・』





鎖骨にうっすらと、黒いあざが出来ていた






『最悪・・どこでぶつけたんだよ』



はぁとため息をつきながら着替え始める
昨日は色んなことがあったが、皆に話してよかったかもしれないと心の底から思う




部屋をでて、リビングに向かう。






正一「おはよう」





リビングに入ると真っ先に正一にあう






『おはようございます』







正一「女の子たちが朝ごはん置いてあるって言ってたよ」








『ありがとうございます
皆はどちらに?』







正一「出かけたよ
名前ちゃんも誘ったけど寝てたって止めてたよ
久しぶりに並中に行くって言ってたなぁ」





『あ、そうなんですか』




並中か・・・







正一「うん
名前ちゃんも暇だったらいっといで」






『はい』





そう会話をして、食堂に入った




机には一人分のご飯が置いてある
その横に、白いメモが置き書きしてある




私達は出かけるけどごめんね
朝ご飯は置いとくから食べてね



と書いてある手紙と朝ご飯が置いてあった



イスに座り、ご飯を食べる



並中か・・そう思いながら箸をおく
食べ終わり、流し台にお皿をだす




食堂をでて、自分の部屋に向かう
外に出かける準備をして、また、玄関に向かう



ジャンニー二に合図をして、基地のドアを開けてもらい外に出た




外に出た途端、元気な子供の声や、カップル、親子などが散歩している公園に出る





『・・・日本の空気だ・・』




耳にイヤホンを付け音楽をかけて散歩する事にした



久しぶりの日本、否並森の景色は


切なくて

悲しくて

懐かしく感じた





やっぱり葵と一緒に遊んで学校に行って笑いあった面影があるんだろう
でも葵が死んだ場所でもある
名前がはじめて人を殺した場所でもある


だから、安心できるわけない
ちょっと警戒心をもってしまう
そう思うとここは、私のいる場所じゃないのかもしれないと切なく心にしみる


私はこんな平和な世界じゃなく
マフィアの世界がいいのかもしれない
ちょっといやだけどでもひどく安心できた




そう思うと涙が出てくる
私は認めたくなくて涙をふき取った







『私の弱虫・・・』




私が言った言葉は誰にも聞こえる事なく


綺麗な大空に消えた・・・










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