look at me
□第二話
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やべっ、進路希望調査って今日までか…。
困ったことに俺にはやりたいことなど何もない、希望調査なんて本来二年生の内には固まってないといけないはずなのに俺は三者面談で度々親と担任を困らせてばかりだった。
「なぁ、ゆりあ書けた?」
ゆりあ「私はナオと違って昔から決まってます!」
「あそ、じゃあ見して。」
ゆりあ「やだ!ナオだけには絶対に見せない!!」
「ハァ!?ふざけんなや…。」
なんの因果か、俺はゆりあとだけはずっとクラスが一緒だ。小中合わせても高3の今までで12年間…って幼稚園から遡れば本当にずっと一緒かもしれない。
中学の頃には亜香里やゆっこが一緒だった時もあるがそこに必ずゆりあもいた。
しかし受験期、亜香里は部活推薦で、ゆっこは制服が可愛いからと二人は隣の私立女子高へと進んだ。俺は自らの学力レベルに合わせた公立の高校へと進んだ。俺たち三人が懸念していたのはとてつもなくバカなゆりあが高校に入れるのかということ、とても心配していたが「私はやるときはやるんです!」と豪語し、蓋を開けてみれば俺と同じ高校に受かっていた。
ちなみに亜香里たちの高校にも実は合格していたがそちらには進まず蹴ったんだとか…、その理由は「私立は高いから」との一言で片付けているがそれだけで亜香里とゆっことの高校生活を手放せるのだろうか、他の理由があるのではないかと考えている。
ゆりあ「ナオはまた白紙?」
「うーん、そうなんだよな。高3の9月…卒業まで半年だってーのにやりたいことが無くて。」
ゆりあ「お父さん継いであげれば?」
「お前がいるからヤダ。」
ゆりあ「きっー!ほんと失礼なヤツ!」
「それはそれとして、本当にどうしようかな…。大学も行けるようになんとかちゃんと勉強はしてたけど…別に学びたいことなんかないんだよなぁ…。」