KND短編

□空に包まれて、きみに
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ホーギーは運転上手で、
乗り心地もなんだか懐かしく感じ、
天気は良く、風が気持ちよかった。

ただ、プロペラがすっごくうるさい

「いい天気だね」

そう言っても

「何か言ったあー?」

と声が返ってくる。

「……」

こいつにしがみついたまま、会話もなしに上空を漂う……

キツイって。キツイってこれ。
なにか話せ。聞け。
そう思い、ホーギーの言葉を待った

「―――――アビー」

あ、何か言った

「な、なにっ!?」

「…………………」



それからは、ホーギーは一言も喋らなかった。
……こちらに、顔を向けてさえくれなかった


ただいま、地面。
まだ飛んでる感じがする。ふしぎ。

「ありがとうホーギー!すっごく楽しかった!」

「それはよかった」

「……ところで、さっき何か言ってたよね?
……なんて、言ってたの?」

もう一度聞くと、ホーギーはニヤリと笑った

「うっ」

しまった。
これはまたつまらないジョークを言うカオだ

するとホーギーは言った


「プロペラの音でプロポーズを聞きのがしちゃったんだ?あはははっ!」


ほーら、またくだらないジョーク言……………………え?

今なんて仰いました?


「結婚しよっか、アビー」

「!!!?」

雷でも落ちたのかと思った。

ていうか……え?

そんな簡単にプロポーズ……

だってまだ

「だって……まだ」

キスも……
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