ミルモでポン!短編

□弟たちの愚痴話
2ページ/3ページ



「食うか?」

その手には、まだ温かいたい焼きがあった

ムルモもそれを受け取り、小さな口で一口頬張る。

「たまに食いたくなると買うんだ。
ホントは姉ちゃんへの土産だったけど」

そう言って、カラスも自分のたい焼きを頬張った。

「大丈夫なんでしゅか?」

「平気、平気」

ムルモが心配そうに訊ねると、カラスはそう答えた


「飯も掃除も風呂も全部オレがやってるんだ。
このくらい許してもらわなくちゃな」

「自立してましゅね〜……
ボクと同い年、くらいでしゅよね?」

「隣のクラスだよ」

「ええっ!?そうだったんでしゅか!
ボク今、人間界で修行中だから全然学校行ってなくて……」

「ああ、どうりで。
噂は耳にするけど、見かけないと思った」

「ボクの噂って?」

カワイイとかそんなんばっかだが、
大半がピンクのうさぎと付き合ってるんじゃないかという恋愛沙汰だ。

カラスは言おうとしたが、なんだか言ってはダメな気がした


「忘れた。」

「ふぅん……」

しかし、カラスの聞いた噂の中のムルモは、こんなに腹黒くなかったのは確かだ。



「お菓子とったり、家事やらせたり……
勝手でしゅよね、兄姉って」

「お互い苦労するよな」


二人はしばらく談笑した。






「…ただいまーっ
遅くなって悪い。今すぐ飯にするからー」

「たい焼きの匂いがする……
あたしに黙って、たい焼き食べたのね……カラス?」

「……え」

カラスを出迎えたのは、姉のどす黒い笑顔だった。








→私は妹か弟が欲しいです!くれ!



 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ