ミルモでポン!長編

□フラグ立てなきゃ進めない
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くもっちょをもらってしまったので、今さら拒絶するわけにもいかない。


「ミルモでポンッ」


マラカスの音と共に、キラキラと輝く光が飛び出してく。
その光はヤシチの使っていた竿に降り注いだ。


「――ん?」

己の竿の異常に気づくはヤシチ。
竿はピクピクと反応している

「かかった!」

今日初めての当たりだと喜び、竿を手に持つ。

その瞬間、竿が空を飛んだ


車のようなスピードで空をあっちこっち飛びまる。ヤシチをひっつけたまま。

弟子たちはポカンとしていた。

ヤシチの手がするりと竿から離れると、その勢いのまま叫びながらどこか遠くへ飛んでいった。

弟子たちはポカンとしていた。



「ヤ、ヤシチあにさま〜!」

ハッと我にかえったヤマネが、届くはずもない声を送った

「オマエらの師匠って変わってるんだな……」



――あと二人。
ミルモはマラカスを持ちなおす

「ミルモでポン!」




飴、クッキー、ガム、ケーキ……
たくさんのお菓子(もちろん偽物)が現れ、それらはサスケとハンゾーの目の前を横切った。

「お菓子がふわふわ泳いでるぜ!」

「おいしそうなのら〜!」

純粋な二人はお菓子を追いかけはじめた


「あ、あの先輩方〜!勝手に行動しては……!」


そんな声もヤシチとは逆方向に向かった先輩たちの耳には届かない。


「アイツらも相当変わってるな……」





「さすがミルモ……みんなの扱いよく分かってる……
(てゆうかすごくノリノリじゃん……)」


「でかしたわ。中々の出来ね」

「ちょろい、ちょろい〜」





結局、ヤマネは留守番を請けもった。
カラスといっしょに。

「……」
「………」

ヤマネはヤシチの身を按じての沈黙だが、カラスは緊張によって何も言えないでいた。


「……ヤシチあにさま…たち、いつお戻りになるのでございましょう?」

「そ、そうだな……」

そうだなってお前。



「……ねぇ、桃ちゃん。ほんとにカラスくんはヤマネちゃんのこと好きなの?」

「なんであんな睨んでるんだ?」

「あれは生まれつき。
本人は睨んでるつもりなんてないわよ」

桃のその言葉に、ミルモと楓は思わずカラスをもう一度見た。

「……あれが?」

楓のでかかった言葉をミルモが代わりに言った。


 
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