ミルモでポン!長編

□土曜日の昼下がりに女王様の我儘に付き合わされる彼女の心情を答えなさい
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楓はパートナーとよく遊んでいる(実際には勝負だが)妖精忍者を思い浮かべ頷いた

「ヤマネの恋が進展したらいいなとは思うわ。
でもね、あたしはカラスの応援もしたいの」

「ど……どうして!?」

「自分の好きな人が、赤の他人に片想い中……
そんな状況じゃ、希望なんて持てないわ」

普段どんなに強気でいても、その時の桃は少しだけ寂しそうに見えた。

桃は松竹が好きで、その松竹は自分のことを好いている。
そのせいもあって桃の恋が叶っていないと思うと、楓のお節介心が少し痛んだ。


「別に誰かのせいとかじゃないわよ」

楓の内心を読み取ったのか、桃は涼しい顔でそう言った。

ただ目を丸くする楓を見て「あら、図星?」とだけ言って、クリームソーダの追加を店員に頼む。

「馬鹿ね。お子ちゃまなおばちゃま」

「う……うう……」

「質問に答えるとしたら、ヤマネとカラスには仲良くなってもらいたいわね」

「え、二人は仲が悪いの?」

「……あ、あのねぇ。
親密度をあげたいって意味よ」

「仲良くさせるのはいいけど……
本当にそれでチャンスを与えたことになるの?」

仲良くさせたぐらいで、そのカラスとかいう妖精にヤマネが乗り替えるとは考えにくい。


「どうかしらねー
そこはカラス自身がなんとかしないとだし
最終的にはヤマネに決着つけてもらうし」

なんて酷な人だろう。


当然っちゃ当然なんだが、その無責任さは余りにも残酷だ。

楓は何も言うことが出来ず、コーラを胃に押し込んで紛らす。

「それで……なんであたしにそんなことを?」

「あなたの飼ってる妖精。
あの子って恋の妖精なんでしょ?」

「う、うん」

まさか。
楓でも出来るその予想は的中した。



「桃だけじゃ不安なの。
あなたとあなたの妖精にも手伝ってもらうわよ」



 
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