ミルモでポン!長編

□初心者にも優しい弓の使い方
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何が起こったか分かってない妖精の目は、たちまちピンク色のハートとなった。

「ギャルコちゃーん!!」

妖精はいきなり、ちょっと離れたところにいた女の子の妖精に飛びついた

「え?チョーびっくりなんですけどー!?」

ギャルコちゃんも動揺を隠せない様子
そして正常なクラスメイトも固まっている


「何をしたのだ!?」

ユミヤはヤシチたちに視線を戻す

「見てわかんない?」

「分かるか!!」


「あの矢に何かを書かれていたようですが……」

気になっていたことを口に出すリルム

「あぁ、あれは名前なのね」

また一本、矢を引き抜いてマジックを持った

「な、名前?」

ここで何らかの魔法を使って止めようとしても、きっとさっきみたいに軽く避けられる。

ヤシチたちは話を聞いた。


「ハートの矢に名前を書いて、それを誰かに当てるだけなのね」

よく言ってることが分からない。

「つまりどういうことですの?」

「つまり……」

今確かに見えた。

『ムルモ』と書かれた矢を弓にセットしたのを。


「こういうことなのね!!」

ユミヤはこちらへ矢を放った


教卓の上からとんできた矢は、リルムの頭に刺さった。

「リルム!!」

ミルモが心配そうに名前を呼ぶ


「リルム?だ、大丈夫か?」

リルムはパッと顔を上げたので、ミルモは安堵した。
しかし様子がおかしい
さっきの妖精と同じく、目がハートに変わっていた


「ムルモ様〜!大好きですわーっ!」

リルムは勢いよくムルモに飛びついた。
ぐほぅ!!と痛そうで苦しそうな声がムルモから出る。

「恋のキューピッドはまた、一組のラブラブカップルをつくったのであった――…」

達成感に包まれたユミヤが遠い目をしている

名前のひとを好きになるってことか

ヤシチの乏しい学力でも、これでやっと把握した


「納得してる場合か!?
すぐにリルムを元に戻せ!!」

「そうでございます!」

珍しく真面目なミルモといつも通り真面目なヤマネ。

「触角ビームをお見舞いしましゅよ!」

リルムに乗っかられたまま、ムルモの触角はバチバチと音をたてた



 
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